第3,419号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「”ホスピタリティ本質”はここに在る!」 -11-

 

接客の場だけに限らず、
職場にホスピタリティがもたらされると
*従業員同士のチームワークやコミュニケーションが円滑になる
*従業員に忠誠心や愛社精神が生まれる
*従業員のモチベーションがアップし生産性も向上する。
・・・・とこういうことが並べられるが、
これも”本質”から言えば大きな勘違いといえる。

いつも言っているけど、
チームワークやコミュニケーションとは、
お互いに仲良くして助け合うことではない”。
会社に対する愛社精神というのも、
会社のために役に立つこと”ではない。
上司に対する忠誠心というのも、
上司の受けが良いイエスマンになること”ではない。
モチベーション(動機付け)というのもは、
周囲からの影響を受けて第一歩を踏み出しはするが、
それは「モチベーション」とはいわず、
テンション”というものであって、
それだけでは継続性に欠けるから生産性の向上には直結しない。

ホスピタリティのメリット”というのを、
そういう現象的なものでとらえるのではなく、
あくまでも自分の中でとらえることが重要だ。
他人の評価とか、
自分のモチベーションが上がる下がるといった
結果現象でとらえるのではなく、
自分自身の「意志気」とつなげてとらえることである。

何度も言うが、
ホスピタリティ」は”サービス”とはまったくの別物。
情けは人の為ならず”という言葉があるが、
この言葉の中に、
ホスピタリティ」の”本質”が存在しているような気がする。

明日はそのあたりをもう少し具体的に!

第3,418号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「”ホスピタリティ本質”はここに在る!」 -10-

 

接客の現場では、
ホスピタリティ」が発揮されると ・・・。
*顧客満足度の向上
*商品・サービスに「ホスピタリティ」という付加価値が付く
*リピーターが増える
*お客様が喜ぶことで従業員のモチベーションも上がる
といったことがこの手の本などには書かれているが、
モノや情報が溢れ、
満面の笑顔に行き届いた”サービス”はいまやどこでも標準装備。
それに顧客満足度はリピートに直結はしない。

実は、
どんなに顧客満足を高めてもリピーターは増えない。
顧客満足とリピートとは基本的に因果関係がないから。
もちろん顧客満足は高めなければいけないが、
それだけでは充分ではないということ。
「満足されているのにどうしてリピートしてくれないのか?」
そのほとんどの原因は「忘れてしまう」から。
どんなに顧客満足を高めてもお客さんは忘れてしまう。
忘れられた店や会社は、リピートしてくれるわけがない。
人は”忘れる生き物”。
それも同じようなハードやソフトで迎えられ、
その時は『いいなぁ~!』と感じて満足感を得たとしても、
忘れられたら最後。
だからスペックやサービスによる
差別化”などという時代は、
もうとうの昔に言葉すら終わっている。
今は、
忘れられないような「独自性」が必要ということ。
この「独自性」というのが、
ホスピタリティ」と大きな関りを持っている。

また、
メリットの一つに挙げられていた、
お客様が喜ぶことで従業員のモチベーションも上がる
これなども、
自分が明るい笑顔でいると周囲も明るくなる」といった類と同じでよく言われることだけど、
なんとなくもっともらしく聞こえはするが、
悲しいかな、
人の心というのはそうはいかないようにできている。
ホスピタリティ」のメリットは、
もっと別のところに存在している。

 

第3,417号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「”ホスピタリティ本質”はここに在る!」 -9-

 

従業員が一人ひとりが、
やりがいをもって日々の仕事に向き合えていないところが、
お客様に対して「ホスピタリティ力」を発揮するなど、
到底考えられないことだ。

職場の人間関係や
従業員のモチベーション維持といった部分は
これまで管理職の手腕に任されるところがほとんど。
しかし、
雰囲気の良い職場環境を継続的に作っていくことは、
経営者だけが思い描いても無理なコト。
管理職だけが右往左往しても始まらず、
ましてや、
お題目のように、
「相手のことを考えて行動を!」
「”何かお手伝いすることはありませんか?”と
声を掛け合おう!」などど
いったところで簡単なことではない。

それは、
ホスピタリティの本質”」はそういうところに存在しているのではないから。
だいたい、
表面的に形だけにとらわれているところは、
経営者、管理職、従業員の全員が
ホスピタリティをもってコミュニケーションをとろう!」と
呼びかけることで
よい職場にしていこうといったところが多い。
これでは、
ホスピタリティといえば、
「心を尽くしたおもてなし」
「真心こめて」
「お客様の心に身を寄せて!」といった
判断のしにくいあやふやな表現となんら変わりがない。

ホスピタリティ」は、
職場で働く人すべてだけに限らず、
お互い個々の人間関係、
家族間、夫婦間においても
極めて大切な要素だということは間違いない。

明日はそのあたりの「ホスピタリティのメリット」について。

第3,416号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「”ホスピタリティの本質”はここに在る!」 -8-

従業員の「ホスピタリティ力」を高めるには、
具体的にどういうことをしたらよいのだろうか?

まず重要なことは、
ホスピタリティ力」というものをスキルと捉えないことだ。
スキル”と捉えたら、
そこには経験という時間を要するハードルが生まれてくる。
ホスピタリティ力」は昨日今日入社した新入社員でも持てる。
アルバイトだろうがパートさんだろうが、
誰にでも備わっているもの。
だから”スキル”は必要はない。
スキル”と捉えれば、
必ずそこにレベル基準などの決めごとが生まれ、
間違いなくマニュアル化されてくる。
マニュアル化されたら、
そこに「ホスピタリティ」の存在はなくなっていく。

もう一つ、
大切なことがある。
それは、
何度も言うが、
ホスピタリティ」はマニュアル化できない。
マニュアルから外れた行動をとらなくてはならい時、
そこには必然的に”許可”というハードルで出てきてしまう。
許可”を得て行う「ホスピタリティ」など聞いたことはない。「ホスピタリティ力」を発揮するためには、
従業員の権限範囲を見直す必要がある。
これも、
権限範囲”を書面して云々といった形だけのことではなく、
同じ部署で働くチームメンバーとの
関係性」が基盤となったものでなくてはならない。
最近では、
お客様をお迎えするといったシチュエーションの中に限らず、
職場マネジメントとして、
ホスピタリティ」を実践する経営陣の方も増えてきている。
社内で従業員同士が「ホスピタリティ」を発揮することで、
職場の雰囲気や社内環境を向上させようというもので、
その根底には、
「内部で”関係性”が築けていない職場で、
お客様との”関係性”は築けない!」という
考えからであるが・・・。

この続きはまた明日!

第3,415号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「”ホスピタリティの本質”はここに在る!」 -7-

 

マニュアルとして決められている枠にとらわれることなく、自分自身の意志で行動すること」が「ホスピタリティ」といえる。

ホスピタリティにまつわるエピソードで、
ある有名なホテルのでの事例がある。
ホテルにお客様が忘れ物をしたところ、
スタッフが新幹線に乗ってまでその忘れ物を届けてくれたという話だが・・・・、
一時、
いろいろなところで話題になったので、
ご存知の方も多いと思うが、
私はこのホテルを何回か利用したことがあるが、
玄関先に到着すると、
ドアマンが車のドアを開けてくれながら名前を聞いてくる。
車のカギを預ければそのまま駐車場に入れてくれて、
自分はフロントカウンターに向かえばよいだけ。
カウンターまでの間で2人には必ず、
『禰宜様いらっしゃいませ。お待ち申し上げておりました」と声をかけられる。
最初はビックリしたが、
後で解ったのは、
ドアマンがインカムで全スタッフに流していたという。
だから、
部屋のキーを受け取って、
エレベーターホールでもまた、
別のスタッフから『禰宜様いらっしゃいませ!ごゆるりとお過ごしください!』と声をかけられる。
もちろん、
レストランに入ればまた同じように『禰宜様いらっしゃいませ!』と声をかけられ、
ここまで来ると、
どこかで監視されているようで、
少しウンザリしてくることもあった。

ホスピタリティ」とは、
お客さんの忘れ物を新幹線で届けたり、
すれ違うお客様の名前を声に出して呼ぶとかという、
そういった行動そのものを指しているのではないということだ。
だからそういった行動だけをマネしたところで、
なにも生み出されるものはない。
大切なことは、
相手がお客様だろうと、
同僚だろうと、
人としての「在り方」が問われるだけ。

そのためには、
従業員にいくら、
『お客様の身になって!』とか、
『お客様の喜ぶことを考えて!』と号令をかけるだけでは、
従業員が動くことはまずない。

続きはまた明日!

第3,414号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「”ホスピタリティ本質”はここに在る!」 -6-

 

ホスピタリティの話になると、
どうしても「心を寄せて!」、
「おもてなしの心で!」などと、
具体的な行動が見え難く、
あやふやな表現が多くなってしまう。
サービス”と「ホスピタリティ」の語源の違いはお話ししたが、
今日はもう少し具体的な違いを事例で見てみよう。

サービス”の一例
・お客様をお迎えする。
・お客様のご注文をうかがう。
・お客様が注文した料理、商品を提供する
・荷物を注文先まで指定の時間に届ける
・繊細な商品を割れないように梱包する
こういうものがあげられるだろう。
では「ホスピタリティ」となるとどうなるのか?

ホスピタリティ」の一例
・お客様の誕生日に手作りのメッセージを手渡す。
・冬の雨の日に外で並んでいるお客様に傘やカイロを渡したり、 まだ営業時間前ではあるが店内でお待ちいただくよう勧める。
・手荷物の多いお客様のお手伝いをする。
・指定の時間に遅れそうなら早めに連絡を入れる。
・配送などではルートや手法を変えると割安になったり早く到着することがあるのを教える。

ただし、
同じ行動でも状況によって、
それは”サービス”なのか「ホスピタリティ」になるのか?
分かれることがある。
上記の例をとってみると、
店舗に来店されたお客様のお誕生日に、
「誕生日のお客様にはプレゼントする」という、
マニュアルがあるならそれは単に”サービス”であって、
ホスピタリティ」のある行動とはいえなくなる。
逆に、
商品を梱包したり、
袋詰めをする時、
たとえばスーパーマーケットのようなセルフサービスの店で、
購入した手提げかごをカウンターまで運ばなくてはならない。
でもお客様は小さなお子さんを抱いている。
こんな時、
お客様に代わってカウンターまで手提げかごをお持ちする、
この行為は「ホスピタリティ」といえるのではないだろうか?。

このように、
マニュアルとして決められている”わけではないけれど、
相手のことを我が身に置き換え行動すること」が、
サービス”と「ホスピタリティ」の違いといえるのかも?

第3,413号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「”ホスピタリティ本質”はここに在る!」 -5-

 

会社の仕事でもそうだけど、
結果”を意識すると間違いなくミスを犯す。
だから、
マネージメントでも大切なことは、
目的指示”は絶対に出してはならない。
指示を出す時は、
必ず「行動指示」に落とし込むことだ。
目的指示”だけで済むのは役員クラスの中だけ。
会社の経営理念なども、
私のサラリーマン時代は、
朝礼で大きな声を出して唱和させられたが、
今から考えれば、
あの時代だからあれで良かったが、
今ではあまり意味を成さないものだとつくづく感じる。
経営理念”とは、
会社のトップリーダーと呼ばれる立ち位置の人達が共有しなくてはならないもので、
一般管理職やその下で働く人達は、
経営理念”を具体化させた「行動指針」の共有だ。
会社の中でのつながりというか、
この「行動指針」が共有化されているかいないかは、
次の質問をすればすぐに判る。
『会社の経営理念を達成するために、
社員一人一人は具体的に何をやればよいのですか?』
これが、
部長クラスになっても答えられない人が意外と多い。
だから私は、
就活の学生にいつもする話は、
『採用面接で必ずこの質問をしなさい!』といっている。

企業の「ホスピタリティ」の根源はまさにここ。
目的意識の共有化ではなく「行動指針の共有化」。
会社の経営理念が暗唱できて、
いつでも口に出して言えることが、
重要なコトだと思い込んだら大間違い。

 

 

第3,412号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「”ホスピタリティ本質”はここに在る!」 -4-

 

いつも言っているけど、
人間は感情の動物だから、
「お客様に喜んでいただくために!」と意識すればするほど、
『お客様は喜んでくれているのだろうか?』が気になって仕方がなくなる。
これは行動心理学でもいわれていることだけど、
どうしても私達は”結果”を求めたがるが、
結果を意識し過ぎると結果は手に入らない
幸せも、
恋愛も、
人間関係も・・・全てそうだなぁ~と実感させられる。
ゴルフでもそうだ。
池を前にして、
『この池を超えなきゃ!』と強く意識すると、
間違いなく、
顔をしっかりと残すことができずに、
ヘッドアップの状態の招くことになる。
ゴルフをやられない人には解かり難いだろうが、
いいかえるなら、
スウィングをしてすぐのボールの行方を追いかえるので、
酷い人になると、
クラブフェースがボールに当たる前に、
すでに顔がボールの行方を追いかけている状態になる。
これをやると、
身体が早く開いてシャンクを招くか、
膝が伸びてトップ気味にボールを捕らえるから、
ボールが上がらなくなる。
いうならば、
今目の前のやれること」”が、
しっかりとやれていないということ。
「お客様に喜んでいただくために!」と意識すればするほど、
『お客様は喜んでくれているのだろうか?』
その”結果”が気になって仕方がなくなるから、
何とか早く、
その状況を感じ取りたいともがき始める。
辛い気持ちの時でも『お客様のために!』と、
まだ自分が意識して笑顔を出しているうちは良い。
これが無意識のうちに、
自分の辛さも押し隠して笑顔をだすようになると、
それはもう「作り笑顔」の何物でもなくなってくるばかりか、
自分自身の心にも悪影響を及ぼしてくる。

これが目的結果を意識するあまりに生じる、
手段思考」になった時に陥り易い行動真理の落とし穴である。
1流といわれる人達は、
結果を意識することはない。
向き合っているのは常に自分自身でしかないから。

第3,411号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「”ホスピタリティ本質”はここに在る!」 -3-

 

昨日のブログでもお話ししたが、
お客様(ご主人様)が求めることを的確に遂行すること、
きちんとその作業をこなすことを「サービス」と呼ぶのなら、
ホスピタリティ」ではお客様との関係はあくまでも対等
そしてここからが”サービス”との大きな違いになっていく。
ホスピタリティ」をもって行う行動は、
マニュアルに決められているからやるのではない。
上司に命令されているからやるのでもなく、
もちろん、
『これが当社の”価値”です!』と、
他社との差別化とばかりに売り込むためにやるものでもない。
あくまでも軸となるのは”自分”。
よくいわれる、
お客様が何を求めているのか?
どんなことをしてあげたらお客様が喜ぶのか?
それを先を読んで考えながら行動し、
手厚くもてなすこと」・・・・と思われがちだが、
これもいわば2流の受け止め方といえる。

1流の「ホスピタリティ」とは、
以前ブログにも書いたことがあるが、
仕事とが武道成り!≫
この精神が根底に在ることが1流の絶対条件となる。
もう一度、

復習の意味も込めてこの言葉の意味を書くと、
仕事」とは”我に仕え 我成すコトに事える”。
つまり、
目線はいつも”自分自身
会社からの評価を得るのために、
上司に喜んでもらう(上司の評価を得る)ために、
お客様に喜んでいただくために・・・・やるのではなく、
あくまでも、
自分自身の成長のために向き合うべきことというのが、
覆すことのできない「原理原則」である。
この「原理原則」を成し遂げた時にだけ、
先ほどの、
「お客様が何を求めているのか?
どんなことをしてあげたらお客様が喜ぶのか?」というのが、
形として必然的に後からついてくる。

これを置き忘れると、
私達の行動は必ず「手段」を選ぶようになっていく。
手段」を用いて身に着けたものは永くは続かない。

第3,410号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「”ホスピタリティ本質”はここに在る!」 -2-

 

このシリーズでは、
ホスピタリティ」の持つ本来の意味や、
いったいどういうところ(場面)で、
この「ホスピタリティ」が必要なのかなど、
具体的に人材教育や、
トレーニングの参考になるようなことをお届けします。

「ホスピタリティ」とは何ですか?
こう質問をすると、
昨年の講演でも多く返ってきた言葉が、
”真心のこもったもてなし(サービス)”という言葉だったが、
そもそも、
ホスピタリティ」と「サービス」は、
実は似て非なるものであり、
その違いはその語源を知ると分かりやすい。

コトバ解説「サービス」と「ホスピタリティー」の違い》という毎日新聞の記事を参考に見ると、
サービスの語源は、
ラテン語の「servus」でこれは「奴隷」という意味。
奴隷には当然ながらご主人様がいて、
ご主人様と奴隷との間には主従関係がある。
言い換えるなら、
お客様(ご主人様)が求めることを的確に遂行すること、
ご主人様のご要望に応え、
間違いなくトラブルなく、
それに関わる作業をこなすことを「サービス」と呼ぶ。

こういうところから、
以前は、
お客様は神様です!”などという言葉も生まれたと思われる。

対して「ホスピタリティ」の語源は、
「すぐれた客人歓待を具現する者」という意味のラテン語で、「Hospes」という言葉からきている、
もっとさかのぼると、
「Hostis=よそ者」を意味するラテン語に行き着くが、
大昔のローマ時代と言えば、
同じところに暮らすのローマ人以外は、
敵にも客にも成り得る”よそ者”だったのであろう。
その”よそ者”との「関係性」をどう築いていくべきか?
そんな環境が生み出したのが、
ホスピタリティ」という言葉に残っているのかもしれない。
それが現代では、
ホスピタリティ歓待の精神」という意味でつかわれるようになったと考えられる。

続きは明日のブログで!