第3,889号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「人は誰もが生まれながらに”感導力”を備えている!」 ー30-

 

あのSさんだが、
あれから1年後には、
派遣先の本社顧客開発部で女性初のMGRになった。

そしてそれから2年。
思いもよらぬ吉報が私のところに届いた。
どうやら素敵なパートナーを見つけ結婚するとのこと。
Sさんから電話をいただいた。

『係長!お陰様で結婚することになりました。
つきましては・・・・・・』
『そうですかおめでとうございます!』
・・・・・・・・
会話を重ねている内に驚くことを聞かされた。

その結婚のお相手というのが・・・・、
あのお嬢様にプレタポルテのお洋服をプレゼントされた・・・、
あのお客様のご子息だった。
どうしてそういうご縁になったのかは、
結婚式の当日に、
お祝いのスピーチをされた多くの方が語られていたが、
誰もが共通して口にされていたのは、
「誰もがやる事を誰もがやらない以上にトコトンやる」
「多くの人がついつい忘れがちになることを徹底してやる」
だからSさんがやると、
当たり前のこと”が「当たり前ではなくなる」。

このご結婚相手となられたお客様は、
実は、
横浜で100年以上続く和菓子の老舗店。

世の中には”ブランド品”と騒がれなくとも、
100年間という長い年月、
お客様に慕われ、愛され続ける企業やお店がある。
見かけだけ、
上品ぶっても、
チョッとした仕草でその人の「本質」は見え隠れするもの。
Sさんは決して目立つ存在でもなく、
笑顔が飛びぬけて良かったわけでもない。
販売員にしては口数も少ない方だったが、
『彼女の「やれること」を精一杯。
知恵と工夫を加えて取組む。
それが”仕事”というものに対する誠意だと思います』

この言葉が私の中でいつまでも残っている。
そんな彼女も、
先日、
お孫さんが出来たとの連絡を頂戴したが、
いつまでもお元気でいていただきたい。

 

第3,888号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「人は誰もが生まれながらに”感導力”を備えている!」 ー29-

 

飛行機の中で無くした大切な思い出の品。
いくら探しても無い
『こりゃぁ~ママに怒られる(涙』
『あぁ~どうしよう?』
いろいろなことが頭の中を駆け巡りながら、
それでも必死になって、
『前の座席か、後ろの座席に転がったかも・・・・』

気持ちの中では、
「お預かりしますと預かったんだから・・・・」という思いもあったが、
「預けてしまったのは私だから・・・・」と諦めることにした。
すると、
一番、先輩らしきCAさんが”満面の笑顔”で、
『ご心配いりません。間違いなく機内に在ります。
必ずお探ししてご連絡を差し上げますので、
今日のところはこれでお引き取りいただけますでしょうか?』

私は彼女が差し出したメモとペンを借りて、
氏名住所など必要事項を書いて渡した。
考えれば、
「そんなの書かなくてもデータがあるだろ」と思ったが・・・。
言われるままに・・・。

本当の”嫌な経験”はここから起きた。
米子での仕事を終え、
帰宅して妻にその話をすると、
『仕方ないわねぇ~。
そういう大切なものを、
いくら有名な航空会社だからと、
他人様に預けたパパがいけません』
私は、
『でもね必ず探して連絡くれるって・・・・』
『そうね機内には間違いなくあるんでしょうから・・・』

それから1週間。
2週間経過しても航空会社からの連絡は無い。
私は、
搭乗券の控えを見ながら、
直接、
航空会社に連絡を入れた。

すると・・・・、
『確かに禰宜様のご搭乗機はございます。
ただ・・・・、
そういった申し伝えが入っておりません』とつれない言葉。
『いやCAさんが連絡をくださるといって、
メモまで渡してありますので当日の担当CAさんに連絡を取っていただけますか?』というと、
『その者の氏名は覚えてらっしゃいますか?』

もうここで私の気持ちが切れた(笑。
「そんなのそっちで調べろよ」と思いながら、
『もう結構です』

いまもあの”ラペルピン”はあの機内の中で空を飛んでいるのか?
もう飛行機と共にスクラップになったか?

私の中に残ったのは、
「あの”満面の笑顔”はなんだったんだぁ~」という思い。
思い出すあの”笑顔”すら、
もう「悪魔のほほえみ」に感じてきた(笑。

これが私が経験した”作り笑顔”のお話し。
こういう経験は、
その後も、
いろいろなところで経験したが、
その度に、
あのSさんの言葉を思い出す。

そしてあのSさん・・・・・だが、
続きはまた明日。

 

第3,887号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「人は誰もが生まれながらに”感導力”を備えている!」 ー28-

 

〈”笑顔作り”の「笑顔無しという言葉がある。
つまり、
表面的にいくら笑顔を作ったところで、
それは所詮、
作り物”でしかないという意味だが、
私はその後、
まさにこの”作り笑顔”の嫌な経験がある。

それは羽田から米子へ出張に行った時だった。
某大手航空会社を利用した時のこと。
当時はスーパーシートといったかな?
普通のクラスよりやや椅子も広めで、
機内に入ると、
CAの方がコートやスーツを預かってくれる。
誰も素晴らしい”笑顔”で、
何があっても、
その”笑顔”が崩れることは無い(実際に見たことが無い)。

飛行機が着陸態勢に入り、
無事に雪の米子空港(今の鬼太郎空港)に到着した。
CAの方が『お疲れさまでした』と私のコートとスーツの上着を持ってきてくれた。
手渡された上着を着て、
さぁ~コートを着ようと、
コートに左手を伸ばした時、
窓に映る自分の姿の左胸に、
在るべきはずの”ラペルピン”が無い。

1年前の結婚記念日に、
妻とお揃いでそろえたもので、
小さなダイヤの付いた・・・・私には高価なものでもあった。
それが無い

他の乗客はどんどんと降りていく。
私は、
自分が座っていた椅子の上や、
椅子の周りを這いずるように探し出した・・・・・・無い
数分して、
おかしな私の様子を見つけたCAさんが一人。
『どうされましたか?』と満面の笑顔で近づいてきて、
事情を話すと一緒になって探し始めてくれた。
『スーツを預けた時には着いていたので・・・・・・
すみませんがスーツを預かっていたところを見てくださいますか?』とお願いすると、
快く直ぐに行動してくれた。
そのうち、
機内には乗客は私だけになり、
最初に一緒に探してくれたCAさんの他に、
3名のCAさんも加わって10分ほど探してくれたのだが、
結局・・・・・見つからなかった。

機内にはもう他の乗客はいない・・・・。

気持ちの中では、
「お預かりしますと預かったんだから・・・・」という思いもあったが、
「預けてしまったのは私だから・・・・」と諦めることにした。
すると、
一番、先輩らしきCAさんが”満面の笑顔”で、
『ご心配いりません。間違いなく機内に在ります。
必ずお探ししてご連絡を差し上げますので、
今日のところはこれでお引き取りいただけますでしょうか?』

私は彼女が差し出したメモとペンを借りて、
氏名住所など必要事項を書いて渡した。
考えれば、
「そんなの書かなくてもデータがあるだろ」と思ったが・・・。
言われるままに・・・。

続きは明日のブログで。

 

第3,886号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「人は誰もが生まれながらに”感導力”を備えている!」 ー27-

 

売手買手」はてんびん棒”のようなバランスを!。

Sさんの話を聞いて、
その後、
自分の自宅に届く品物の包装紙をを開ける時、
いつもSさんの話を思い出した。
彼女の言うとおり、
男性も女性も、
待ちに待った品物が届くと、
慌てるように急いで包装紙を開けて中身を見たくなる。
これは女性も男性も同じだ。
そして、
いつもその包装紙についているテープをはがす時、
爪の先で少しテープを起こすようにしながら剥がそうとするが、
これがなかなか厄介なことが多い。
爪先でテープの端を少しづつ少しづつ起こしながら、
指で摘まめるようになったら、
一気に剥がそうとすると、
テープは思いもしない方向に切れ目が走り、
途中で切れてしまう。
そうなると、
また最初のように爪先でテープの端を起こさなくてはならない。

もしこれを、
マニュキュアを塗られた指先で行ったら・・・、
もしかして、
せっかくのマニュキュアが剥がれてしまうかも・・・・。
Sさんはここまで考えていた。

これはもう、
販売員のスキルとか、
接客マニュアルなどに書かれているようなレベルではない。
Sさんの”人柄”が成せること。
そして、
お客様もまた、
そのテープのカットの違いに気付かれるという”お人柄”の持ち主だったということになる。

本当の「接客の一流」といわれる人には、
接客におけるスキルとか、
笑顔作りとか、
そんなことよりもはるかに大切なコトを持っている。

『係長・・・・
笑顔はないよりはあったほうが良いでしょうけど、
心の中にある苦しいことや、
辛いことが顔に出てしまうのも人間ですよね。
それを無理して、
「これは仕事だからお客様のために・・・」とやることが、
本当に良いことなのでしょうかね?
私は・・・・なんか違うような気がするんです。
毎朝の朝礼でやる”笑顔作り”も・・・・、
本当はもっと違うところに意識を向けて行かないといけないような気がするんですけど・・・どうですか?』

このSさんの言葉は、
その後の私の姿勢を少しづつだが大きく変えていった。

これが私が体験した、
希望 〈〈〈〈 現実 =「感導の接客の一つ。
でもこれにはまだ続きがある。

第3,885号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「人は誰もが生まれながらに”感導力”を備えている!」 ー26-

 

エスカレーターを降りられたお客様は、
他の売場には目もくれず、
一目散に、
それもやや足早に・・・・Y・Sさんを目指してやってこられた。

そして、
お客様がY・Sさんの5~6ⅿ近くに来られた時、
その第一声が・・・・『Yさ~ん』(苗字ではなく名前で呼ばれている)。
これだけ「関係性」を高めているということだ。

『まぁ~よくお似合いで上手に着こなされてらっしゃいます』と・・・・・・・、
ここまでは歯の浮くような百貨店のセールストーク感じだが、
その後が他の従業員とは違う。
お客様がSさんに近づくと・・・・・、

Y・Sさんは静かにお嬢さんの右手を取り・・・・・・
(何するの?握手か?)
私は少しびっくりしながらその様子を見守った。

すると・・・・
Y・Sさん・・・・お嬢さんの右手の指さきを見ながら・・・、
『良かった。綺麗な仕上がりでお洋服とも色合いのバランスがよろしいですねぇ~』。
するとお客様は、
『これもYさんのお陰よありがとう』

(「えぇ~なんで指先のマニュキュアを・・・・それに”ありがとう”って・・・・・?」)

私はこの行動の真相を、
お客様がお帰りになられた後、
彼女に直接聞いてみた。
『Sさんなんでわざわざお客様の指先を見られたの?』
当時はまだネイルサロンなども無く、
マニュキュアといえば、
好きな色を塗られるだけの女性が多かったから、
私からすると、
『わぁ~綺麗ですねぇ~』とお客様が自慢したくなるようなところを素早く見つけて接客時の話のネタにするほどではなかった。

するとSさんはこう話しだした。
『先日、
お母様がご来店されお嬢様のお洋服をお選びになられている時、
大切なパーティーに出るので、
初めてマニュキュアもするらしいと伺っていたんです。
ですから、
お洋服をプレゼントされた時、
女性は『どんなお洋服だろう?」と慌ててお箱の包装紙を解こうとされたら、
通常のテープのカットではなかなか外し難くて、
せっかくのマニュキュアが剥がれてはと、
テープの先を剥がしやすいようにカットしておきました』

私はこの話を聞いて愕然としたのを今でも覚えている。
売手買手」の関係・・・・。
そこには作り笑顔も、
流ちょうな接客用語も不必要なのかもしれない?
もぅともっと大切なコトは、
売手買手」のてんびん棒のようなバランスにあると感じた。

続きはまた。

第3,884号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「人は誰もが生まれながらに”感導力”を備えている!」 ー25-

 

彼女の行動はもう私にとっては教科書のようになっていった。

ある時、
あるお客様が、
お嬢様へのプレゼントとスーツをお買い上げになった。
私は気付かれないように注意しながら、
彼女と、
お客様の会話の全てを一言も聞き漏らさ聞き入ってしまった。
そんな中で私が気付いたのは、
お客様のお嬢様というのはお洒落を楽しむ方で、
細かなところまで気を使われるようだ。
このことぐらいだった。
気付いたところで、
何をやれるかなど浮かんでも来なかったが・・・(涙。

無事に商品が決まり、
いつものように、
彼女の素晴らしい包装技術が見れると、
それとなくのぞき込んでいると、

「あれぇ?」・・・・・いつもと最後のテープのカットが違う。
通常はカッターに設置されているので、
そのままテープを引っ張って切り取る。
だからだいたいどこのデパートの商品テープも切り口はのこぎり状態になっているのだが・・・・・、
彼女はそれにさらにひと手間加え、
テープの両サイドをナイフの刃先のようにハサミで切った。

この理由が判る人は・・・「接客力」がかなり高い。

この理由が後日になって解るのだが・・・・、
それを知った時、
「そこまでやるのかぁ~」と私は驚くだけだった。
こういうのをサービス業界では”スイーツ・トラップ”という。

そして、
お客様がお買い上げいただいた日から7日目。
彼女は事務所の電話からお客様に電話を入れ、
『先日はお買い上げ有難うございました。
〇〇百貨店のプレタポルテのSでございます。
お嬢様お気に召していただけましたか・・・・・』
こういう電話を必ず入れるのも彼女から始まった。
そして、
その記録を必ずつけていく。

その翌日の日曜日。
そのお客様がお嬢様をお連れになりご来店された。
お嬢様は当然ながらあのスーツをお召しになっていた。

ここで彼女の仕掛けた凄さが解かった。

第3,883号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「人は誰もが生まれながらに”感導力”を備えている!」 ー24-

 

世の中に人格者ぶった仮面をつけた人はたくさんいる。
サービス№1業界でトップの成績を上げて、
他人様にいろいろな指導しているけど、
いざ本筋はなれると、
直ぐに油断がでて、
どこか下品ささえ感じてしまう人もいる。
研修や講演で話をしている時とは全く別人のように、
懇親会になると足を組んで咥えタバコの女性講師もいる。
まぁ~、
企業の中でいうなら、
社内で上司の前では耳に心地よいことばかり言いながら、
”5時から男”に変身したとたんに、
会社と、
さっきまで目の前にいた上司の悪口を言いながら酒呑む奴。
こういうのと全く同じだ。

ところが、
このSさんは違う。
休憩室で休憩が終わると自分の座っていたところのテーブルは、
しっかりと自分で拭き掃除をして退室する。
休憩室のゴミ箱が溢れていると、
さり気なくゴミ袋を代える。
まぁ~この程度ならどこにでもいるが・・・・、
Sさんのレベルは業務の中でも凄い。
お客様がお買い上げいただいた商品。
高級婦人服だから、
お渡しする時も袋ではなくお箱入りだ。
そのお箱入りの商品をさらに包装紙で梱包する。
デパートの包装というのは、
紙で箱を包んでいく時、
”セロテープ”は1回しか使ってはいけないことになっていた。
未熟な人がやると、
包装紙が途中で開いたりしてしまうので、
商品が入ったお箱を回転させる度に”セロテープ”でとめていく。
ところが、
彼女はこの”セロテープ”を最後の隠し用にも使うことなく、
ロゴマークの入ったカラーテープで止めるだけでやり尽くす。
これだと包装紙を外す時に、
包装紙を破ることなく開くことが出来る。

まだまだある。
誰もがやれることを、
彼女はまさに、
誰もがやらないくらい徹底してやっている
やはり本物」というのは本物らしく”は振舞わないものだ。

第3,882号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「人は誰もが生まれながらに”感導力”を備えている!」 ー23-

 

そんなSさんに興味を持った私は、
毎日、
まるでストーカーのように彼女を観察した。
昼の休憩時間も同じ時間で取り、
社員食堂の少し離れたところに籍を取って観察を続けた。
本当にストーカー状態だったので、
7日目に直属の上司に全てを話し事前報告と了解を得たくらい(笑

3カ月くらいして、
少しづつ彼女の「本来姿」が見えてきた。
チョッと気を抜くと見逃すようなことだが、
この人の”気配り”は凄い・・・・凄すぎる。
恐らくは、
彼女自身は意識もしていなはずだ。
意識しながらこれほどの”気配り行動”はとれない。

職場の中には、
笑顔度200点という人は多くいる。
朝の挨拶も明るく元気の良い人も余るほどいる。
ところが、
デパートというところは、
表面的な華やかさとは裏腹に、
裏は醜いところも多くあった。
売場は奇麗に整理整頓されているのに、
ひとたびバックヤードに入ると、
商品は乱雑に置かれ、
中には床に落ちていることさえ日常茶飯事だ。
箒やモップが床に転がっていると、
その上を飛び越えて女性が走っていく。
休憩室では、
あの満面の笑顔で、
美人の誉れ高い○○さんが、
咥え煙草で足を組んでコーヒーを飲んでいる。
言葉使いもまったく違う。

人は意志気しながらやっているレベルではまだまだということ。

ところが・・・・、
Sさんの行動は全てにおいて他の従業員と違った。

第3,881号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「人は誰もが生まれながらに”感導力”を備えている!」 ー22-

 

笑顔”は心の中から湧き出てくるもの
このSさんの言葉は、
その後も、
ずっと私の中に残り続けた。

このSさんという方にもなんか興味が湧いてきた。
Y・Sさん。
当時、30歳。独身。
4年生の大学を出て大手繊維会社に就職。
商品開発室勤務で入社8年。
「商品を作る上でどうしてもそれをお召しになるお客様の声を生で聞くことで商品開発の業務に活かしたい」という理由で、
3年前から派遣社員として、
私がいたデパート勤務になった。
過去3年間の彼女の売上記録を見ると・・・・・・。
こちらに来た1年間はそれほどでのなかったが、
2年目を過ぎた頃からの売上はダントツ。
まぁ~、
1商品あたりの単価が高いから売上額が高くなるのは当然ながら、
驚いたのは「TCTRANSACTION COUNT)」が凄い。
簡単に言うなら客数のことだが、
これだけ客数が多くいるということは・・・・・。
調べてみると、
やっぱり”ご指名回数”がずば抜けている。

彼女が休みの日に、
彼女目当てでご来店されたお客様で商品を購入されたお客様はほぼゼロに近かった。
今のこの時代になって騒がれている「”の関係性」。
これをすでに完璧にやり熟していることになる。

余り笑顔も大きくはない。
口数も少ない。
決して明るいかといえばそうでもない。
デパートでは紳士服売場などでは、
時折、
販売の女性目当てに買いもに来られる方もいなくはないが、
ここは婦人服売り場。
それに彼女は特別に美人なわけでもない(失礼)。

私はますます彼女に興味が湧いてきた。

第3,880号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「人は誰もが生まれながらに”感導力”を備えている!」 ー21-

 

お客様が望む、
またはご来店前に描いておられる「希望」に対して、
お店(販売員)の”現実”。

この「顧客感情の7段階」というレベルの中で、
最上級にある、
「希望 <<< 現実 = 感謝
これをはるかに超える、
いうならば・・・・・、
「希望 <<<< 現実 = 

このレベルの接客をする販売員が昔、
私の部下にいた。

それは私がデパートマンとして働いていた頃のこと。
入社して10年近く人事部教育課というところに籍を置き、
デパートマンとして、
一度も売場に出た経験が無かった私は、
数年前にから、
「異動希望」を出していたが一向に希望は叶わなかった。
念願がかなったのは、
入社して10年目。
係長昇格試験をなんとかクリアして、
婦人服部のプレタポルテコーナーの係長として売場に出た。
いわゆる当時の”高級婦人服売り場”で、
ワンピース1枚が1980年初期の頃で10万円はした。
お客様は当然ながら富裕層といわれる方々が多かった。

どちらかというと、
バーゲン売場で大きな声を出している方が性に合っているので、
最初は本当に戸惑った。
毎日が冷や汗の連続。
そんな時、
売場に派遣店員(各卸業者から派遣されてくる販売専門職)の方でSさんといいう、
私よりも2つ年上の女性がいた。
来方の接客は、
外見上から言うなら目立たない。
笑顔が飛びぬけて凄いわけでもない。
動きがきキビキビとしているわけでもない。
どちらかというなら、
口数も少なく控えめで、
『あんまり向いていないんじゃないのかなぁ~?』と感じたのが第一印象だった。

その売場に赴任して、
最初の朝礼で私が、
『今週はサービス向上週間ですからいつも以上に”笑顔”で頑張ってください』と表面的な話をした初日の朝礼。
お店が開店して売場の巡回に出ると、
Sさんが静かに近づいてきて、
『係長さん、今日の朝礼ですけど・・・・・、
今週は”サービス向上週間”だからですか?
それに”笑顔”って心の中から湧き上がってくるものですよね。
それを強化週間だからと・・・・これ”作り笑顔”?
美人ならまだしも私のようなのが”作り笑顔”しても・・・・』

新人係長の私の朝礼なんか表面的な話しか出来ないでいた頃。
「わぁ~早速、新人係長の”イジリ”だなこりゃぁ~」と、
内心『来たぁ~!』という感じだった(笑。

でも、
Sさんの「笑顔”って心の中から湧き上がってくるものですよね
この言葉はなぜか引っかかった。
ずっと入社した時から、
「サービス業なんだから”笑顔”を出すのは当たり前」と思っていたから。
朝礼で行われていた『ミルキィ~!』とか言いながら、
口角筋を鍛える練習も懸命にやっていた(笑。
それで10年。
従業員の研修も担当してきたのに・・・・。

続きはまた明日。