《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「人は誰もが生まれながらに”感導力”を備えている!」 ー26-
エスカレーターを降りられたお客様は、
他の売場には目もくれず、
一目散に、
それもやや足早に・・・・Y・Sさんを目指してやってこられた。
そして、
お客様がY・Sさんの5~6ⅿ近くに来られた時、
その第一声が・・・・『Yさ~ん』(苗字ではなく名前で呼ばれている)。
これだけ「関係性」を高めているということだ。
『まぁ~よくお似合いで上手に着こなされてらっしゃいます』と・・・・・・・、
ここまでは歯の浮くような百貨店のセールストーク感じだが、
その後が他の従業員とは違う。
お客様がSさんに近づくと・・・・・、
Y・Sさんは静かにお嬢さんの右手を取り・・・・・・
(何するの?握手か?)
私は少しびっくりしながらその様子を見守った。
すると・・・・
Y・Sさん・・・・お嬢さんの右手の指さきを見ながら・・・、
『良かった。綺麗な仕上がりでお洋服とも色合いのバランスがよろしいですねぇ~』。
するとお客様は、
『これもYさんのお陰よありがとう』
(「えぇ~なんで指先のマニュキュアを・・・・それに”ありがとう”って・・・・・?」)
私はこの行動の真相を、
お客様がお帰りになられた後、
彼女に直接聞いてみた。
『Sさんなんでわざわざお客様の指先を見られたの?』
当時はまだネイルサロンなども無く、
マニュキュアといえば、
好きな色を塗られるだけの女性が多かったから、
私からすると、
『わぁ~綺麗ですねぇ~』とお客様が自慢したくなるようなところを素早く見つけて接客時の話のネタにするほどではなかった。
するとSさんはこう話しだした。
『先日、
お母様がご来店されお嬢様のお洋服をお選びになられている時、
大切なパーティーに出るので、
初めてマニュキュアもするらしいと伺っていたんです。
ですから、
お洋服をプレゼントされた時、
女性は『どんなお洋服だろう?」と慌ててお箱の包装紙を解こうとされたら、
通常のテープのカットではなかなか外し難くて、
せっかくのマニュキュアが剥がれてはと、
テープの先を剥がしやすいようにカットしておきました』
私はこの話を聞いて愕然としたのを今でも覚えている。
「売手と買手」の関係・・・・。
そこには作り笑顔も、
流ちょうな接客用語も不必要なのかもしれない?
もぅともっと大切なコトは、
「売手と買手」のてんびん棒のようなバランスにあると感じた。
続きはまた。