《”ねぎたけ”こと・・・「禰宜 猛(ねぎ たけし)です」♪》
「この春社会人となった君に贈る言葉」ー5-
ビジネスでは、
モノやサービスを提供して、
それが「価値」として対価が支払われ、
商売が成り立っていた。
だから、
私がデパートマンとしての新入社員だった頃
もう40年前の研修。
その頃は、
「在り方」より「やり方」重視で、
商品知識と販売力を早くから叩き込まれたものである。
この頃はこれで良かった。
デパートでは”並べておけば何でも売れる!”時代で、
”お客様は神様!”で、
”笑顔は100$のポスター!”といわれた時代。
つまり、
品物や笑顔、
それ自体に十分「価値」があり、
お客様のお役に立っていた。
でも、
今は全く違っている。
モノと情報が洪水のように溢れ、
笑顔やアイコンタクトはどこでも標準装備。
そういうものにまったく「価値」が無くなっている時代。
今は「関係性の時代」といわれているが、
それも”個の関係性”の時代。
あくまでも”個”。
それも、
表面的な明るさだとか、
思いやりだとか、
「ありがとう」をたくさん口にしよう!とか、
やる気の出る声を掛け合おう!とか、
そんな表面的なことではなくて、
”個の質(本質)”が見られてしまう時代。
中には『「在り方」があっても「やり方」が間違っていれば何にもならないから「在り方」も「やり方」も常に両方を!』と、
語る方もいるが、
これは「原理原則」からいえばおかしな話。
「やり方」は
いつ手順や方法が変わる可能性を持っている。
変われればもうそれまでの「やる方」は無くなる。
命ある限り、
変わらぬのが”個の「在り方」”。
私の亡父の後輩で
有名な料理人のR・Ⅿさんから教えられた言葉。
≪一流の料理人は技にはこだわらない!≫
これは技術などどうでもよいということではなく、
一流の料理人は、
手間暇かかることに時間と労を惜しまないということ。
小手先の術や技とはまったく異なる本質を教えてくれた言葉。
新入社員の諸君!
知識も技術も自己育成の大切な条件の一つではあるけど、
あくまでもそれは条件であるということを忘れないように。
条件は世の中の変化と共に変化していく。
そして、
それを身に付けるには「時」が必要ということ。
だから、
焦ったところでどうにかなることではない。
それよりも、
自分の足元をしっかりと見て、
遠くを見ずに日々を送ることが大切。