《”ねぎたけ”こと・・・禰宜　猛（ねぎ　たけし）です！♪》
「人は誰もが生まれながらに”感導力”を備えている！」　ー15－

店長の「クリーンパトロール」は、
彼の出勤日には、
定時の30分前に出社し毎日続いた。
お店の売上の方は、
世にいう、
”Ⅴ字回復(最もそんなものはこの世に存在しないが）”などという状況には程遠かったが、
少なくとも、
店長とお客さんとの会話は断然多くなった。

「クリーンパトロール」が１年半くらい過ぎた頃、
店に行ってみると、
『うぅ・・・？？誰だ？
店のスタッフにしては年齢が？・・・・』
店長と一緒に掃除をされている人のところに近づき、
『お早うございます。ご苦労様です』と声をかけると、
なんと、
お店がある商店街の会長さんだった。
『いやぁ～いつも店長さんが一人で商店街の中を奇麗にしてくれているのでね。お手伝いですよ』
会長さんは笑いながら応えてくれたが、
そこへ、
『お早うございます』
『〇〇店長さんお早う。遅くなっちゃったぁ～』
同じ商店街の方々が続々と・・・・。

2年目の冬を迎えた頃には、
「クリーンパトロール」の人数は20名近くに膨らんでおり、
店のアルバイトスタッフも、
少し早めに来ては、
タイムカードを打刻する前に参加してくれるようになった。
店長もアルバイトスタッフも、
商店街の方々も、
誰一人、
お金をもらっているわけでもない。

そんな時、
地元のFM放送の方が来られ、
この活動を放送したいとのお申し出を受けることになった。
聞けば、
『局の方に数十名の方からお電話やお葉書をいただき、
皆さんの行動に”感動”されているとの内容なんです』

これを聞いて、
会長さんたちは大喜び。
余り表情を表に出さない店長も、
商店街の人達と握手、握手、握手・・・。

店に向いながら私は店長にこう伝えた、
『店長！これは”感動”というより「感導」だよ』・・・・と。