《”ねぎたけ”こと・・・「禰宜 猛(ねぎ たけし)です」♪》
「いつも”気持ち”の整理整頓をしよう!」 -57-
私の受講生の一人に、
『私は無能な人間ですから!』
この言葉が口癖のようなN君がいる。
たまに、
一緒に呑みに行っても、
いつもこんな調子の会話が中心。
『私なんかなんも期待されていませんから・・・・』
『誰からも必要とされていなませんよ』
こんなことばかり思っていたら、
普通の人なら落ち込んでいくだろうけど、
ところが、
彼はそうでもない。
最初の内は私も、
『そんなことないよ!』と、
励ます気持ちで言い返していたが、
ある時、
『あぁ~この子のこれが”開き直り戦法”かな?』と
感じるようになった。
一緒にいるとだんだんと、
『彼に比べたら俺はマシな方かな?』(失礼)と、
感じるようにさえなってきたものである。
考えれば、
多くの人はこういうことはあまり口にはしない。
それは、
自分が”必要とされている”という実感が欲しいから。
だからそういう人は、
『人様のために役立つ人になろう!』とか、
周囲の人には
『”お手伝いすることありませんか?”と声掛けしよう!』とか、
やたらと、
自己PRの言葉や行動が多くなる。
でもこのN君は違う。
こんな言葉を口にはしているが、
”やれること”だけは完ぺきに行っている。
『私に”出来ること”はなんでもやります!お役に立つなら!』
こんな言葉を口にして、
基本的な礼儀礼節も守れない、
表面的には前向きに見えて、
実のところ、
自分のことしか考えていない人よりはるかに好い。
だから、
こんな後ろ向きな言葉を口にしていても、
ゴルフや酒の席にはいつも声がかかる。
所詮、
この世の中に”凄い人”なんて存在しない。
多くの場合、
”凄い人”という基準は、
有名人か、金持ちか、地位の高い(一般的に)人などを
指しているだけのこと。
人間なんて、
この宇宙空間の中では、
米粒みたいに小っちゃな”無能な生き物”かも?
だから、
一瞬一瞬を愚直に懸命に生きたものだけが、
その人にしか感じることが出来ない
”幸せ感”を最後に与えてもらえるような気がする。