第2,910号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「この春、社会人となった君に贈るメッセージ」 -31-

 

まったく素人の私が、
”全てを任されて”取組んだ水着コーナー。
業界紙、業界新聞、ファッション誌から一般紙、
果ては、
TVニュースにも取り上げられ、
有頂天になっていた私のところに、
直属の上司が、
『禰宜!一緒についてこい!』と声を掛けられた。
心の中では、
『きっとこれから社長室にでも行ってお褒めの言葉かな?
もしかしたら・・・褒賞金まで・・・』
こんな不謹慎なことを考えながらT課長に付いていくと・・・。

そこは役員会議室。
T課長が受付の秘書さんに参上したことを告げ、
待たされること10分強(?)。
このあたりから・・・嫌な予感がし始めた(笑。
『役員会議室に・・・なんで課長が一緒なんだぁ~?
そうか!課長も良い部下を持ったね』とお褒めの言葉を・・・・?

秘書さんが・・・・『お待たせしましたどうぞ!』
その後について課長と私も会議室の中へ・・・。
これが最初で最後の役員会議室になった(笑。

営業担当常務が・・・『君が禰宜君か?』
私:『はい!禰宜 猛と申します!』
常務:『今回の水着コーナーは君が全てやったのか?』
私:『はい!私一人ですべて考えやりました!』
常務:『非常に好評で広く我が社のPRにはなった!』
『ありがとう!』(ここで社長はじめ役員さん達が👏)
もう間違いなく褒賞金だと思った(笑。
その次の瞬間!
経理担当常務がスッと立ち上がり、
『随分と経費をオーバーしてくれたね』
(グサッ!・・・そういえば後から後から変更や追加で・・・)
会議室の役員さんの視線が徐々に、
やけに冷たくなっていったのを今でも覚えている。

するとT課長が、
『申し訳ございません!全て私の責任です!』
(会議室の方々は無言!)
私が・・・『それは違います・・・私が・・・』
するとT課長に、
『貴様は黙っていろ!』と頭を下げたままキツク睨まれたっけ。

結局は厳重注意指導ということで具体的なおとがめは無かった。
終業時間を迎えすっかり落ち込んでいる私にT課長が・・・
『禰宜!今日の仕事はもう良い!ついてこい!』
(えっ?またどこかでお叱り受けるの・・・)
その晩、T課長から、
「全てを任せる!」ということの「本質」を教えられた。

『組織の中で”全てを任せる!”とはな、
何でも自由にやってよいということではないんだよ。
お前は、
全て私一人で考えやりましたといったけど、
前一人で”やれたのか?”。
あの砂を運んだのは誰だ?お前か?
水着をディスプレイしたのは?お前か?
一枚一枚に値札を付けたのは?・・・違うよな』
なんだか寂しさというよりは、
情けなさの方が強かったかな?
自然と涙が溢れてきて仕方がなかった。

組織の中で上司や先輩が”全て君に任せる!”。
これは試されているサインで、
やる前から、
『君は大丈夫だから任せたよ!』ということではない。
この「本質」を理解しないまま、
歳を重ねていくと、
40歳を迎える頃には、
とんでもない方向を向いていても気付けない自分が待っている。

上司の言葉の奥には、
良いも悪いも、
必ず「本質」というものが存在していることを
忘れてはならない。
新入社員の諸君には
いかなる時も、
この存在を気にかけてコトにあたることを伝えたい。

禰宜猛のアバター

投稿者


最近の投稿


カテゴリー