第3,401号・ブログ

《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「”現象”に惑わされず「本質」を見る!」 -5-

あまり有名ではないが、
私の古い友人に画家として生きている奴がいる。
彼は「本質」の話をする時、
石膏デッサンの経験から面白いことを教えてくれた。
石膏デッサンは純粋な目で観察するところから始まるそうだ。
自分の持っている先入観を捨てながら、
純粋に観察することができたとすれば、
石膏という物質の重量感やその周りを囲んでいる空間、
光の当たり方や影の落ち方、
観察している自分と、
石膏までの距離感などが感じられるようになるらしい。
また、
さらに「本質」を捉えるためには、
自分の立ち位置からでは見えない裏側に回って観察したり、
表面の質感を確認するために触わってみたりもするという。
この時にプラスチックや紙のツルツル感とは違う、
石膏独特のサラサラというかザラザラしたような触感を確認し、ようやく三次元の白い石膏像を
黒い鉛筆で二次元の世界に表現するという、
ある意味、
無謀と思えるような作業に挑むことができるようになるのだと。
その時、
彼が学生時代に美術の時間に、
私がやらかした大失敗を思い出した。
『禰宜、お前美術の時間のデッサンの時、石膏像に目玉を書き入れて先生に怒られてたよなぁ~(笑』
そういえばそんなこともあった。
もし、当時の私が、
『あれっ、オレ石膏像を見ているつもりだったけど、
俺は長髪の髭を生やしたローマ人の男だと思い込んで見ていた』・・・・と、
もしこの時こう具体的に、
言葉として自分の認識を自覚することができたとしたら、
もっと純粋な目で細部を観察し、
石膏像の「本質」に気付けていたかもしれない。

続きは明日。

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