《”ねぎたけ”こと・・・禰宜 猛(ねぎ たけし)です!♪》
「心配事は起きてから対応しても遅くない」 ー38ー
ある僧侶が修行の旅の途中で体調を崩し、
誰も住んではいない酷いあばら家で一夜を超すことになった。
天井は穴だらけで、
そこから落ち葉が舞い込み、
寒さをしのぐために、
床板をはがして燃やさなくてはならない。
こんな状況なら、
修行僧であっても心は落ち込んでいって”当たり前”。
身近な雑草や木の実で飢えをしのぎ、
横になって体を休め始めたその時、
穴の開いた天井の隙間から、
煌々と月あかりが差し込んできた。
その光は次第に、
僧侶の足元から、
全身を包み込むように移動していることに気付く。
この時、
この僧侶は、
『なんと素晴らしい光景だろうか?
この場所、この時間、
この状態でなかったら、
こういう”感情”に包み込まれることは無かったろうなぁ~』と、
しみじみと、
人生の「必然の妙技」に、
暖かさえ感じながら包み込まれていったという。
これは修行僧だから感じられたことではない。
”感情”とは、
自分の好き嫌いの中に存在すものではなく、
自分自身の「心の持ち方」の中に存在しているとういことを、
私達に教えてくれている。